ICT支援員という仕組みがあります。2007年頃、文部科学省によって提示され、学校でICTを利用した授業が円滑に進むように、教員や生徒のICTの利活用を学校現場で支援することが役割です。日本教育 情報化振興会が2017年に行った調査では、教育委員会の89.3%、学校の79.8%がICT支援員の配置が必要と考えられています。
ICT支援員に求められるスキル・資質
- 基礎的なICTに関するスキル・関心
- 前向きな姿勢
- 学校への貢献
- 教員とのコミュニケーション
ICT支援員のスキル認定制度
JNK4というNPO法人がICT支援員に求められるスキルについての認定テストを実施しています。同じサイト内で、教育情報化コーディネータという自治体・教育委員会へのコンサルティングに近い役割の検定も案内されています。
ICT支援員の具体的な業務
- 機器・ソフトウェアの設定や操作
- 機器・ソフトウェアの設定や操作の説明
- 機器・ソフトウェアや教材等の紹介と活用の助言
- 情報モラルに関する教材や事例等の紹介と活用の助言
- ディジタル教材作成等の支援
- 機器の簡単なメンテナンス
ICT支援員の雇用・勤務形態
主に以下の2パターンがあります。
- 自治体・教育委員会に直接雇用される
- 自治体・教育委員会がICT支援業務を委託した企業に雇用される
勤務時間・頻度については様々なようです。
- 各校を月に数回、訪問・巡回する
- タブレットなどを多く導入している学校では常駐する
思うこと
多忙な学校の先生にとって、あるいはICT化がまだ進んでいない教育現場にとって、ICT支援員は助かる存在だと思います。一方で、地域の教育にICTを取り入れていくには、実務レベルの支援だけではなく、
- (目的)教育をICT化して、子どもたちのどのようなスキルを伸ばすのか
- (インフラ)必要な環境・機材をどのように調達し続けるのか
- (コンテンツ)ICT機器を活用してどのような学びにつなげていくのか
を一緒に考えていけるような支援が必要だと考えます。
以前、プロのエンジニアならあらゆるプログラミング言語に精通していると思っていたという教育畑の大学教授の話を聞きました。そんなことはないです。一人のエンジニアが知っている領域は狭いです。ただ、知らないことはすぐに調べます。子どもたちと同じで学び続けるのですが、この”すぐに調べる”は21世紀型スキルの中でも特に重要だと思います。オンライン上には無限大の知識がありますから。