今から23年前に、シーモア・パパート氏によって『マインドストーム』という本が書かれました。コンピュータを使って、子供の学びを助ける方法が数々示されています。物理や数学などについて学校で教わる知識よりも、自分でプログラミングして実際に体験する方が、より深い学びに到達できると主張されています。自分でシミュレーションを作る過程で、発見し、学ぶということかもしれません。
他にもパパート先生の業績は、まさにプログラミング教育の父と言える内容ばかり。パパート先生の理想に比べると、現在でも足りていないことの方が多いのではと考えさせられます。パパート先生はごく最近の2016年までご存命でした。
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MIT Media Laboratory Interactive Videodisc 1986より
タートルプログラミング言語LOGOの開発
LOGOはパパート先生が8歳の子どもでもコンピューターを使って考える力を訓練できるように開発したプログラミング言語です。特徴的なのはタートル機能で、単純な命令によって画面上のカーソルが動き、ペンの上げ下げで、好きな図形や絵を描くことができます。
これって、Scratchのペン機能と同じ?と思った方は正解です。
LOGOのタートル機能は、ScratchやPythonなど様々なプログラミング言語に受け継がれています。初期の頃には、アーヴィングと呼ばれるカメ型のロボットをLOGOで操作して実際に紙を絵を描いていたため、タートルプログラミングと呼ばれるようになりました。
また、レゴ社と共同で開発されたLEGO/Logoは今日のレゴマインドストームにつながります。
MITメディア・ラボの前身となる組織の創立
Scratchやレゴマインドストームなどの開発で知られる、MITメディア・ラボの前身となるMIT建築機械グループ認識学習研究班を創設しました。
Scratchを作ったミッチェル・レズニックの指導教官
Scratchを開発した、レズニック氏はパパート先生の研究室で学びました。2年に1度開催されるScratch Conferenceで、レズニック氏がパパート先生のことを、Scratchの祖父と呼んでいたそうです。
$100PCを途上国に配布するプロジェクト(OLPC)の代表の1人
One Laptop Per Child
すべて子どもがコンピューターを使った学びを得られるように、安価なコンピューターや学習のためのソフトウェアを提供するプロジェクト。2009年にはウルグアイですべての小学生(36万人)に提供できたことが有名になりました。
最新のモデルはXO-4 Touch(CPU:ARM1GHz、メモリ:1-2GB DDR3、ストレージ:eMMC 4-16GB)です。
人工知能の研究
教育からは外れますが、人工知能の父、マービン・ミンスキー氏との共同研究は、人工知能の発展にとって転換点でした。単純なパーセプトロンは線形分離不可能な問題は認識できないことを証明し、パーセプトロンの登場によって人工知能時代の到来と盛り上がった流れが静まりました。しかし、現在のディープラーニングはパーセプトロンが大きく発展したものであり、ミンスキーやパパートの研究によって、正しい理解が深まったとされています。