高校生の頃、授業でラジオを組み立てた時に初めてハンダゴテを扱い、コテ台が無く、やたらと火傷をした苦い記憶がありました。それから無意識にハンダ付けを避けてきましたが、ブレッドボード、ジャンパ線での試作だけではなく、電子工作に取り組むとなると、どうしてもハンダ付けが出てきます。ホームセンターで購入した安価なハンダゴテで我流に始めましたが、うまく行かず、調べて見ると奥深い世界がありました。以下の内容はノセ精機さんのハンダ付け講座を参考に書いています。
上手にハンダ付けするにはポイントがあります。
- コテ先の温度を360℃より高くしない
- ハンダ付けする部品の熱容量に合わせて、コテ先の形状を選ぶ
- コテ先を常にきれいにする
コテ先の温度を360℃より高くしない
温度調節付きハンダゴテを使うことで解決できます。ちょっと値段が張りますが、本格的に取り組むつもりであれば、高い買い物ではないでしょう。安価なハンダゴテはコテ先の温度が早く高くなることをウリにしているものが多く、500℃を超えてしまうものもあります。ハンダが融ける温度は約183℃。約250℃で、約3秒間溶融させてハンダと部品の境界に1~3ミクロンのスズと銅の合金層を作ることが良いハンダ付けだそうです。
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ハンダ付けする部品の熱容量に合わせて、コテ先の形状を選ぶ
大きな部品や、長い導線がついて部品をハンダづけすると、なかなか部品が温まらず、ハンダが溶けません。そんな時には、熱容量が大きなコテ先に取り替えることで、スムーズにハンダを溶かすことができるようになります。市販のハンダゴテのコテ先は尖った鉛筆型が多いですが、これだと熱容量が十分でない場合があります。野瀬社長のお薦めは、円筒を斜めにカットしたC型と呼ばれるものだそうです。
私もコテ先をT18-3Cにすることで、溶けなかったハンダが、す~っと溶けました。
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こて先を常にきれいにする
ハンダ付けをするとコテ先が汚れます。ハンダがこびりついたり、黒い酸化皮膜ができたりします。汚れたままだと、溶けたハンダが部品に馴染みにくくなってしまいます。スポンジや金属タワシのようなクリーナーでハンダ付けの都度掃除が必要です。
『ハンダ付けに光を!』 ノセ精機の野瀬昌治社長
ハンダ付けを通して世の中に貢献することを経営理念にされている、滋賀県東近江市にある企業の社長さんです。会社のWebを拝見するだけで、ハンダ付けに対する思いが伝わってきます。今回ハンダ付けを勉強する上で、非常に参考にさせていただきました。練習用のキット、学習用DVDを開発されたり、最近ではyoutubeに公開されているようです。チャンネルリストはこちら
他にもタモリ倶楽部を始め多くのメディアで取り上げられ、ハンダ付けの狭くて奥深い世界を紹介されています。
はんだ付け検定
NPO法人日本ハンダ付け協会が主催するハンダ付けの技能検定です。こちらもハンダ付けに対する想いの強いサイトです。初心者向けの3級から、鉛フリーハンダを使った基礎的技能の他、 実体顕微鏡や拡大鏡を用いてハンダ付け作業を行う1005表面実装部品や、QFPなどの実装が含まれる1級までが用意されています。こちらも野瀬社長が学習用動画を公開されています。